100歳を迎える患者さん

秋も深まり街路樹の色の変化が楽しい季節となりました。

今年はいつまでも続いた暑い夏に身体も心も挫けそうな日々でした。

年々過ごしやすい季節が短くなっていくようでこの先もずっとこうなのかと不安になります。

環境問題が地球の大きなテーマであることをただただ実感します。

さて、ここ最近の出来事をお話しします！

当院はみなさまご存知の通り予防型歯科医院

全ての人が定期的にメンテナンスに通えるようサポートしていく診療体制です。

20年以上に及び確立してきたこのシステムは子どもや若者だけが対象ではなく、初診でかかられたどの方にも最終的にメンテナンスに通って頂けるようにサポートするシステムになっています。

ですから当然ながら幼い子どもから学生、成人の方、そして80.90代の高齢の方も来院されます

（例えば歯が1本でも残っている方は残っている歯や義歯の不具合などもチェックします）

その中でも、まもなく100歳を迎える患者さん「Tさん」のことを紹介します。

先代院長とほぼ同年代のTさん、当院とは長いおつきあいとなります。

体格もしっかり、食事も何でもきちんととり、ご自分で歩かれます。

いつも家族の方と来院されるのですが、ずいぶん前から来られる度に素敵な絵ハガキをご持参されるようになりました。

聞くと通信で習われているとのこと。

季節感のある絵ハガキを毎回頂き、それがとても色鮮やかで時にユーモアもあり、いつしか待合室に透明フレームに入れて飾らせて頂くようになりました。

つい先日来院された時はいつものように秋の絵ハガキと、ご自分で書かれた詩文を頂きました。

正岡子規の有名な句

「柿食えば鐘がなるなり法隆寺」

そして、思いの丈を綴られた詩文

まもなく100歳を迎えるにあたり、心の中、色々な思いが溢れておられる様子が切ない程に感じられるその文章に少し胸が締め付けられ、と同時にここまで生き抜かれてきた力強さも感じ、とても感動したのです

人生100年時代とは言いますが、全く自分の力で生活のできる方は一体どれほどいるでしょうか？

このTさんのように、自分を全うし、気力を失わず、新しいことにもチャレンジし、いつまでも自分の気持ちを表現できるように私もなりたいと思うのです。

「口から食べる」

この基本的な生きる源である食事が問題なくできるよう当院はこれからもみなさまをサポートし続けて行きます

Tさん100歳おめでとうございます！

これからもお元気でお過ごしください。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2024.11.14